2009年04月10日
COBOLの基礎知識【10】
浜松1チ-ムの雅宏です。
COBOLの基礎知識の第10回は、”データ部”の説明です。
【データ部(DATA DIVISION)その1】
COBOLの基礎知識(第7回)でご紹介したサンプルプログラム(SAMPLE01)で、
データ部は以下の行となります。
001700 DATA DIVISION.
001800 FILE SECTION.
001900 FD INFL1.
002000 01 I-SHAIN-REC.
002100 05 I-SHAIN-NO PIC 9(05).
002200 05 I-SHAIN-NAME PIC N(10).
002300 05 FILLER PIC X(02).
002400 WORKING-STORAGE SECTION.
002500 01 W-END-FLG PIC X(01).
データ部は、プログラムが入力、出力するファイルの構成、プログラム内部で使用するデータ項目、
およびプログラム間で使用するデータ項目を定義する部です。
必要が無ければ省略可能です。
ファイル節(FILE SECTION)、作業場所節(WORKING-STORAGE SECTION)、
連絡節(LINKAGE SECTION)、通信節(COMMUNICATION SECTION)、
報告書節(REPORT SECTION)で構成されます。
環境部に記述できるのは以下の要素です。
節 | キーワード | 記述する内容 | 必須/任意 |
---|---|---|---|
ファイル節 | FILE SECTION | 環境部の入出力節で定義した入出力ファイルのファイル構造とレコードのデータ構造 | 任意 |
作業場所節 | WORKING-STORAGE SECTION | プログラム内で使用する作業用のデータ項目 | 任意 |
連絡節 | LINKAGE SECTION | プログラム間で通信を行う際に呼ばれるプログラムが参照するデータ項目(呼ばれるプログラム側に定義する) | 任意 |
通信節 | COMMUNICATION SECTION | 通信管理システムとのインタフェース | 任意 |
報告書節 | REPORT SECTION | 環境部の入出力節で定義した報告書ファイルのファイル構造とレコードのデータ構造 | 任意 |
まずは、ファイル節(FILE SECTION)についてご説明いたします。
サンプルプログラムの 1900行目に”FD”と記述しています。
これを「ファイル記述項」と呼びます。
ファイル記述項は、環境部(ENVIRONMENT DIVISION)に定義したファイル毎に記述します。
複数のファイルを使用する場合は、ファイル節に複数のファイル記述項を記述することになります。
サンプルプログラムでは、”INFL1”という名前のファイルを1つ定義しています。
2000~2300行目では、入力ファイル(INFL1)のレコードを定義しています。
先頭の”01”や”05”を「レベル番号」と呼びます。
2000行目は 01レベル、2100~2300行目は 05レベルで記述しています。
05レベルは 01レベルよりも下位になります。
これは、社員レコード(I-SHAIN-REC)が、社員番号(I-SHAIN-NO)、社員名(I-SHAIN-NAME)と
FILLERの3項目で構成していることを表します。
また、社員番号には”PIC 9(05)”、社員名には”PIC N(10)”、FILLERには”PIC X(02)”と
記述しています。
PICの後の”9”は数字、”N”は日本語、”X”は英数字であることを示します。
また括弧内の数字は桁数を示します。
なお、”FILLER”は無名の項目であることを表し、プログラム中で単独の項目として使用する
ことはできません。
入力ファイル(INFL1)と社員レコード(I-SHAIN-REC)の関係は、以下のイメージとなります。
次回は、”作業場所節(WORKING-STORAGE SECTION)”についてご説明いたします。
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Posted by JOB CAFE at 21:22│Comments(0)
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